
移住者の声を聞こう
里山と向き合い、持続可能な未来を拓く
瀬川 滉介さん(大阪府豊中市から移住)
移住年:2023年
職 業:伐木・造材・集材作業員
内山 祐紀さん(東京都中央区から移住)
移住年:2023年
職 業:木炭の製造と販売
養父市地域おこし協力隊として活動する内山さんと瀬川さんはタッグを組み、採算性と環境保全を両立させる「自伐型林業」という新たなスタイルで林業に取り組んでいる。
内山さんは異常気象や大規模森林火災の報道をきっかけに、地球温暖化対策に取り組もうと決意した。養父市自伐型林業研修を受講し、そのまま転入。間伐材を使用した木炭を販売する会社も立ち上げた。
瀬川さんは養父市の一員となって風景を守ろうと移住。林業の実践や動画制作を通じて田舎暮らしや林業の普及活動を行うほか、市のPR活動もこなす。
お仕事について教えてください
内山祐紀さん(以下、内山)
間伐をしたり林道・作業道を造ったりしています。持続可能な取組みが重要なので、道造り一つとっても山に優しい方法を選んでいます。市からいただく補助金のほかに、間伐材をチップなどに加工して販売。これらが主な収入源です。
瀬川滉介さん(以下、瀬川)
自伐型林業は長期的な視点で黒字を目指すやり方です。重機の導入も、作業人数も、従来の林業よりスモールスタート。現在は市からの補助が不可欠ですが、数年後には自走するようにと考えています。
内山
今は林業家として駆け出したばかり。自然を相手にしているということもあり、将来どうなるか未知数ですが、手ごたえは感じています。
瀬川
同じスタイルで林業をされている先輩からは、10ヘクタールを5年間隔で間伐していけば、一人分の収入になると教わりました。
内山
今は地域おこし協力隊としての収入もありますから、任期が終わるまでのあと1年で技術を向上させ、より具体的な計画を立てたいです。
身の回りの人間関係について
瀬川
内山さんとは熟年夫婦のようなあうんの呼吸で共同作業をしています。
内山
そう。お互いの長所を生かしながらね。
瀬川
私は安全管理の面で内山さんのアドバイスを頼りにしています。
内山
こっちも瀬川さんのPCスキルを頼りにしていますよ。他の人との関係はどう?
瀬川
移住前は、いわゆる「田舎特有の濃い人間関係」があるとしたら、うまく付いて行けるだろうかと不安でした(一同笑) 実際住んでみると地区の行事に参加するくらいで、都会とあまり変わらない印象があります。
内山
私は近所の方から缶ビールをいただいたり、野菜をいただいたりしますね。
瀬川
内山さんは、元営業だからか、人づきあいがうまいし、顔を覚えるのも得意。あいさつ回りのときとか、仲介してくださるのですごく助かります。
今後の目標を教えてください
内山
林業にまい進するとともに、バイオ炭の生産、販売を通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献したいです。地方でも首都圏より稼ぐことができたら、何か一つの答えが示せるのではないかと感じています。
瀬川
山についての知識を深め、一人前の林業家になりたいです。また、空き家を改修して老若男女が集うネットカフェを作り、養父市での生活、林業の面白さを発信できたらと考えています。
地域おこし協力隊として一歩を踏み出したふたり
計画的な間伐は防災にもつながる
お互いの信頼が仕事の原動力